新潟県
新潟県
新潟県
佐渡の棚田(新潟県)
ホタテ(青森県)
リンゴ畑(青森県)
穴見海岸の夕陽(兵庫県 新温泉町)
紅葉の十和田湖(青森県)
冬の八甲田(青森県)
不老ふ死温泉の露天風呂(青森県)
越前大野城(福井県)
越前岬水仙ランド(福井県)
三国花火大会(福井県)
鳥取砂丘(鳥取県)
竹田城跡雲海(兵庫県 朝来市)
投入堂(鳥取県)
鳥取県
鳥取県
大山(鳥取県)
コウノトリ(兵庫県)
棚田(鳥取県)
島根県
島根県
ローソク島(島根県)
国賀海岸(島根県)
宍道湖の夕日(島根県)
菅谷たたら(島根県)
青森ねぶた(青森県)
秋田県
秋田県
秋田県
秋田県
秋田県
コウノトリ(兵庫県)
穴見海岸の夕陽(兵庫県 新温泉町)
竹田城跡雲海(兵庫県 朝来市)

日本海スタイル 総括シンポ パネルディスカッション「豊かさ求めて‐移住が開く地域の未来」

■地方移住へ魅力高め

◇パネリスト
上野 善晴氏(日本政策金融公庫専務・国民生活事業本部長)

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<うえの・よしはる>1959年、熊本県生まれ。大蔵省(現・財務省)入省後、岩手県副知事、金融庁理財局次長などを経て、2014年から日本政策金融公庫の代表取締役専務取締役で、国民生活事業本部長を務める。

高野 克己氏(東京農業大学学長)
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<たかの・かつみ>1953年、東京都生まれ。東京農業大学農学部農芸化学科を卒業後、同大学農学研究科農芸化学専攻を修了。同大教員となり、応用生物科学部長、副学長を経て、2013年から学長。

見城 美枝子氏(NPO法人ふるさと回帰支援センター理事長)
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<けんじょう・みえこ>1946年、群馬県生まれ。東京放送(TBS)アナウンサーを経てフリーに。海外取材を含めて56カ国訪問。青森大学副学長、農林水産業みらい財団理事、ゆうちょ財団理事などを務めている。

◇コーディネーター
高木 圭一(東奥日報社東京支社編集部長)

■現 状

◎見城氏 相談者は年2万人超  上野氏 UIJターン融資も  高野氏 卒業後も学生根付く

-移住への関心が高まっているといわれます。実情はいかがでしょうか。

<見城美枝子氏> 東京・有楽町にある「ふるさと回帰支援センター」に来た相談者は、2008年が2475人、16年は11月までで2万3624人と10倍になった。本気で移住を考える人が増えた。15年度の移住希望先ランキングで人気度1位は長野。日本海地域も注目されている。3位に島根、8位に秋田、11位に富山、15位に新潟が入り、鳥取は21位だ。

<上野善晴氏> 日本政策金融公庫では「UIJターン」などを機に地方で創業する人への融資制度を15年に創設し、累計で約2700企業に融資した。地方に移住して創業する人に向け、ビジネスプランの相談セミナーを各地で開いている。17年2月には東京で東北6県への移住を応援するイベントを開く。

<高野克己氏> 東京農大は、グローバルな視点を持ち地域社会で活躍する人材の育成を進めている。公務員、JA職員、教員など地方創生にかかわる仕事に就く卒業生は、13年度から毎年トータルで400人前後。学生3千人ほどの中規模大学で、地方に就職する学生が多いのは非常に珍しいと思う。
北海道キャンパスでは、学生の90%が道外出身で、うち40%の50人ぐらいが北海道に残る。残るのは女性が多い。北海道で働き始める理由に挙げるのは「地域の人に育ててもらった」と感じたこと。四季があり、自然があり、人情味があって、おいしい物がある。そういう地域で就職したい気持ちは私も分かる気がする。

 

■課 題

◎上野氏 創業で雇用生み出す  高野氏 若者が地域貢献実感  見城氏 空き家活用が鍵に

-移住をさらに促進する上での課題をどう考えますか。

<見城氏> 移住・定住を阻む課題として「住居はあるか」「仕事はあるか」「受け入れ体制」の三つが挙げられる。
住居面では、田舎暮らし希望者の半数はアパートより戸建てを望み、空き家はないかと聞いてくる。地方に空き家は多いのだが、持ち主に貸す気がない。所有者不明や大規模修繕が必要な物件もあるが、行政が空き家情報を整理できていない。移住者が多い自治体では、行政が不動産業者と連携して住宅選びに尽力しているケースもある。

<上野氏> 自分で仕事を起こす際の創業支援融資は2015年度、2万6465件(1926億円)で、件数は過去10年で最高。女性、若者層への融資が増えた。雇用創出効果は全国で9万5千人、日本海沿岸エリア11府県では1万2千人あった。

<高野氏> 本学は全国約30の自治体と連携協定を結んでいるが、若い時期に自然に触れ、地域に触れることが大切だと考えている。
協定先のひとつである石川県輪島市には、卒業生が3人移住している。在学中、地域活性化をテーマにした研究に取り組む過程で、その街に入り込み、活性化への思いを伝え、高齢者らと交流した。学生たちは、お祭りの復活など地域文化再興に取り組むことができた。自分の手で文化的な資産をつくったことで、地域への貢献を実感できた。学生たちには農業以外の面でも地域に貢献したいという気持ちがある。

<上野氏> 岩手県の副知事時代、東日本大震災に遭遇した。被災地の経済復興には、いかに日本中から人を呼び込むかが大切で、交流人口の拡大を図った。定住者を増やそうと企業誘致にも取り組んだ。
移住を増やすには地域ぐるみでの情報発信が重要だ。移住者が地域社会に調和するためには、望んでいることや悩んでいることを地元の人を交えて話し合い、地域の課題とすることだ。出身者ではないが、その地域で暮らしている「よそ者」の視点を取り入れることも大事だ。

<見城氏> 地域の高齢者にとって大学生は孫のような存在。息子や娘世代には小言を言いたくなるが、孫ターン(孫世代のUIJターン)は受け入れやすく脚光を浴びている。
それから夫婦や家族での移住は、妻が消極的だと成功しない。女性が移住先の街を好きになるか、第二の故郷にできるかは大きな問題。子育て環境も重要だ。鳥取県に自然の中で子どもたちを育てる“森のようちえん”がある。地元テレビ局が番組を作り、子育て中の母親など全国的に注目された。

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<移住・定住の促進策などについて議論した「日本海スタイル」総括シンポジウムのパネルディスカッション=東京都千代田区の日本プレスセンタービル>

■提 言

◎高野氏 もっと雪を活用して  見城氏 文化の奥深さに期待  上野氏 海外への販路開拓を

-日本海地域をより輝かせるためのアドバイスを。

<見城氏> 地域の魅力の要素として街並みや建物も重要だ。新潟県長岡市の河川敷にある子育て支援施設は好例。シンプルな建物で、地域と自治体が共同でつくった。

<上野氏> 高齢者・障害者の介護・福祉、子育て支援などソーシャルビジネス向けの融資もしているが、昨年度は7746件(607億円)で件数・金額ともに過去最高だった。福井県坂井市での放課後児童クラブ、島根県松江市での「演劇シアターを拠点にしたまちづくり」など多岐にわたっている。

<高野氏> 日本海側といえば雪が多い地域だ。雪は負のイメージだけではない。雪室に保存して食品の質を良くする取り組みがある。野菜だけでなく肉や魚、酒、コーヒーも貯蔵している。コメを貯蔵し、日本食が人気のアジア圏に輸出すればいい。雪の冷熱を使った発電も技術的に可能とされる。もっと雪の利用を考えていい。

<上野氏> 青森から島根までの日本海地域11府県の創業実績は女性の割合が高い。女性が働きやすいからだろう。リンゴや日本酒など特産品、漆器や織物の伝統工芸品を扱う事業者が多い。海外の巨大市場をにらんだ販路開拓も進んでいる。対岸に面した日本海側の優位性も期待できると思う。

<見城氏> 歴史をひもとけば江戸時代までは大陸や朝鮮半島を通じて日本海側に文化がもたらされた。日本海地域が持つ文化の奥深さに期待している。


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