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【さい出発 佐井村「漁師縁組」移住者の夏】亀ケ澤大仁さん(46)/宮古市出身

ウニを出荷し、笑顔を見せる亀ケ澤大仁さん(右)。左は指導する津田勝良さん=22日午前、佐井村

夏らしく気温が上がった7月初旬の日曜日。青森県佐井村中心部にある津軽海峡文化館アルサスで、村産ヒラメをPRする祭りが開かれた。会場の一角で、額に汗をにじませ、焼き鳥を焼く男性。村の「漁師縁組」事業で移住した亀ケ澤大仁(ひろひと)さん(46)=岩手県宮古市出身=だ。指導する「丸漁漁業部」の津田勝良さん(69)らが例年、祭りを手伝っているため、亀ケ澤さんも裏方として活躍した。
亀ケ澤さんら移住者4人は6月から2カ月間、青森市に下宿し、県産業技術センター水産総合研究所が主宰する「賓陽塾(ひんようじゅく)」(平内町)で学んだ。
賓陽塾は若手漁業者を対象に、法律や経営の知識を学ぶ座学、ロープワークや漁網修繕などの技術講習、かご漁や刺し網漁などの船上実習-と幅広いプログラムを用意、「漁師のいろは」を指導する。漁師縁組事業では賓陽塾参加を「基礎研修」に位置づける。
ただ、4人の中で唯一、漁師経験があり「早く組合員になって独立したい」と考える亀ケ澤さんは、しけが少ない夏場に佐井を離れることには不満があった。塾が休みとなる週末は、車で片道4時間近くかかる佐井に戻り、津田さんとウニ突き漁に出て腕を磨いた。
8月下旬。賓陽塾での研修を終え、佐井に戻った亀ケ澤さんは、津田さんの小屋でウニの殻をむいていた。「カメ、採れるようになったよなぁ」と、津田さんが青いかごを指さす。亀ケ澤さんが採ったウニが7、8分目まで入っていた。
亀ケ澤さんが漁獲したウニは津田さんのウニとは別に出荷し、本人の収入になるようにした。むき身にしたウニを漁協に持って行くと0.9キロ。亀ケ澤さんは自身最高記録に笑顔を見せ「(自分のお金になるので)安心感はある。ためなきゃいけないもん」。
漁師縁組事業では「長期研修」期間として最長3年間、月額16万6千円を移住者に支給。その後1年目は月額14万円、2年目は月額12万5千円を支給、就業・定着を支援する。最長5年間で組合員資格を取得してもらう仕組み。佐井村漁協の場合、組合員になるための出資金は55万2千円。漁船や漁具も必要になる。独立に備え少しでも稼ぎを増やしたい-というのが移住者たちの本音だ。
津田さんは「カメは一生懸命だ。マグロ船に乗っていたから仕事の段取りもいい」と頑張りを評価する。「1人でやった方が仕事を覚える」と話し、自分が使わない磯舟を亀ケ澤さんに譲ることも考えている。

<かめがさわ・ひろひと>1971年、岩手県宮古市生まれ。中学卒業後、遠洋マグロ漁船の乗組員を約10年間経験。トラック運転手などを経て、千葉県船橋市から2017年3月、佐井村に移住。趣味は釣り。

(2017年8月28日付朝刊 東奥日報掲載)


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