ホタテ
リンゴ畑
紅葉の十和田湖
冬の八甲田
不老ふ死温泉の露天風呂
青森ねぶた

【さい出発 佐井村「漁師縁組」移住者の夏】家洞昌太さん(18)/岐阜市出身

ウニの殻むきを終え、舘脇修さん(右端)らに、ひもの結び方を学ぶために研修で製作した「結束標本」を披露する家洞昌太さん(右から2人目)=1日午前、佐井村

津軽海峡を望む青森県佐井村ではウニやヒラメ、タイなどの水揚げが増え、本州最北の地も夏を迎えていた。6~7月、「漁師縁組」事業で村に移住した4人は「賓陽(ひんよう)塾」(平内町)で研修を受けるため、村を離れていた。人口約2千人の、のどかな漁村。こんなうわさがささやかれた。「ちゃんと帰って来るんだが? このまま平内のホタテ漁師になるんでねぇの?」
基幹産業である漁業の後継者不足が深刻化する中、村外から漁師志望者を募り、独立を支援する村の事業は、県内外のさまざまなメディアで取り上げられた。6月には総務副大臣が訪れ、移住者と意見交換した。事業に注目が集まる中、村民たちも移住者4人が今後、漁師として独り立ちし、村に根付くか関心を寄せている。そのためか、冗談半分、心配半分でうわさが飛び交った。
周囲の心配をよそに、家洞(やぼら)昌太さん(18)=岐阜市出身=は副大臣との意見交換のとき以外、村には戻らなかった。「あっち(平内)にいる間は、あっちでやれることをやる」。そう考えたからだ。
「賓陽塾」では今年、移住者4人のために、ホタテ養殖の現場を体験する実習を用意した。家洞さんは塾が休みの週末、実習で世話になった「親方」の所に足しげく通い、早朝から漁を手伝った。
八戸市に次いで県内2位の漁獲金額を誇る平内町(県統計)。家洞さんが平内で耳にした漁師の年収は予想以上の数字で、後継者不足も目の当たりにした。「去年も今年も北海道(のホタテ)がだめだったからって分かっている。でも、養殖は安定しているように見える」と話す。「佐井で漁師になるのが大前提。いろいろ覚えて可能性を探したい。ただ、佐井で1人でやっていけない場合、平内(でホタテ漁師を目指すの)が最終手段になる…」と正直に語る。
平内での研修を終えた翌日の8月1日、朝7時すぎ。佐井漁港に、以前から家洞さんを指導している「丸漁漁業部」の舘脇修さん(60)の漁船が戻ってきた。家洞さんも一緒だ。2人はすぐに舘脇さんの小屋に移動。ウニの殻むき作業を始めた。家洞さんが漁獲したウニは青いかご1、2分目ほど。ピンセットを使ってウニの身から不要物を取り除く作業にも手こずる様子を見せる。
高校を卒業したばかりの18歳。舘脇さんは「ともかく、いろいろやらせてみて。何が合うか、やってみないと」と話し、その夜、家洞さんをマグロはえ縄漁に連れて行った。

<やぼら・しょうた>1998年、岐阜市生まれ。2017年3月、岐阜県立羽島北(はしまきた)高校を卒業、佐井村に移住した。中学、高校時代は野球部。趣味は川釣り。

(2017年8月29日付朝刊 東奥日報掲載)


青森スタイル 【さい出発 佐井村「漁師縁組」移住者の夏】亀ケ澤大仁さん(46)/宮古市出身 青森スタイル 伝統芸能やグルメ堪能 中泊徐福まつり