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【さい出発 佐井村「漁師縁組」移住者の夏】世良昌士さん(29)/札幌市出身

村主催の婚活イベントに参加した世良昌士さん(右)。左は同じく移住した松本大祐さん=7月8日、佐井

7月上旬の週末。「縁結びの岩」ともいわれる青森県佐井村の名勝・願掛岩に夏らしい日差しが降り注いだ。岩の山手にある公園にはジャズバンドの生演奏が流れ、心地よい風が吹く。この公園を舞台に、村が主催する婚活イベントが開かれた。
夕方。参加者の男女が会場に到着。その中に「漁師縁組」事業で移住した世良昌士さん(29)=札幌市出身=と松本大祐(だいすけ)さん(34)=東大阪市出身=の姿もあった。「こんなちゃんとした感じなんだねぇ」と、会場の雰囲気に圧倒された様子を見せる世良さん。「いずれ結婚したいと思っているけど、今すぐどうこうって訳じゃない。大祐さんが出るって言うし…」と気軽な気持ちで参加した。
婚活イベントには、世良さん、松本さんの2人を含む村の男性5人と、村外の女性4人が参加した。会場には、村自慢の海産物をふんだんに使った料理がずらり。参加者たちは食事とアルコールを楽しみながら少しずつ打ち解けていった。
2日間の日程を終え、世良さんと弘前市の20代の女性会社員が見事、連絡先交換に至った。世良さんと女性は無料通信アプリのLINEでやりとりを重ね、付き合うことに。お盆休みには彼女が佐井を訪れるなど、順調に交際を進めている。
「高校生じゃないんだから、浮かれたりはない。普通ですよ」と落ち着いた様子で語り、「まぁ、いい年だから。結婚ってなったとき、どうしようとは考える。1人で暮らしていくのは何とかなるだろうけど…」。村からの生活費支給は最長5年。その後、経済的に自立し安定できるか不安もある。「でも不安のない人生なんて面白くない」
世良さんは現在、牛滝地区の漁協正組合員でつくる「牛滝漁師会」のメンバーから月替わりで指導を受けている。牛滝では定置網漁が中心だ。「定置は人手も投資も必要で、自分1人ではできない。雇ってもらう道もあるが、1人でやってみたい気持ちもある。来年は佐井(本村地区)で定置以外の漁を覚えたい」と話す。
賓陽(ひんよう)塾(平内町)での研修中、刺し網漁も体験した。「刺し網は定置みたいにいっぱい捕れないけど、売り方で稼げないか。例えばネット販売とか。農産物なら個人でネットで売っている人もいる。捕った魚を神経締めにしてネットで売るとか…」。移住者ならではの新たな視点で勝負する道を模索する。

<せら・まさし>1988年、札幌市生まれ。2011年春、北海道の大学を卒業、道警に就職。同年冬、大腸がんで休職、約2年後に退職。牧場勤務などを経て17年4月、佐井村に移住。大学まで剣道部。

(2017年8月31日付朝刊 東奥日報掲載)


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