たたら製鉄(島根県)
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石州和紙(島根県)
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認知症の兆候 AⅠで診断 19年実用化目標 松江の企業、島根大など共同研究

共同研究を進める契約を結び、手を合わせる島根大、エリサ、ヘルスサイエンスセンター島根の関係者=松江市西川津町、島根大

人工知能(AI)を活用し、認知症へ移る恐れがある軽度認知障害(MCI)を早期発見する画像診断技術の開発と診断サービスの事業展開に向け、統計解析会社・ERISA(エリサ)(松江市北陵町)と島根大、ヘルスサイエンスセンター島根(出雲市塩冶町)が20日、共同研究を進めると発表した。脳の磁気共鳴画像装置(MRI)画像をAIで解析する仕組みで、医師の目視による識別に比べて高精度で、早期段階の兆候を捉えられるという。2019年6月の実用化を目指す。

共同研究は既に始めており、エリサと島根大医学部がAIに画像を解析させるプログラムを開発。医学部関係施設のヘルスサイエンスセンター島根が、保有する数千人分の医療データを提供する。認知症の診断へのAI活用は国内外の研究機関が取り組んでいるが、商業段階での実用化はまだ例がないという。

具体的には、脳の形状を見る「構造画像」と、血流の変化を示す「機能画像」をAIに学ばせ、認知症の半数以上を占めるアルツハイマー型の兆候を見つけ出す。特に機能画像を診断に利用する試みは他にないという。島根大医学部とヘルスサイエンスセンター島根は30年間にわたる脳卒中の研究で世界有数のデータ蓄積があり、強みを生かす。最終診断はAIの判定を踏まえて医師が下す。

高精度、早期発見

医師による識別は熟練度に差があるほか、複雑なデータ解析に限界があった。現在、構造画像による識別の実証研究では、90%以上の精度で認知症の有無を判別できるという。

医療機関や検査機関での活用を想定し、検査料は1回1万円程度に設定。国内で年間6万人いる「脳ドック」の受診者のうち、4人に1人の利用を見込む。厳格な健康管理が問われる旅客運送業従事者を中心に、事業開始3年後の22年度に5億4千万円の売り上げを目指す。共同研究期間は22年度までの5年間。

会見には島根大の服部泰直学長、エリサの河原八郎社長、ヘルスサイエンスセンター島根の広沢卓嗣理事長らが出席。服部学長は「社会的な課題の解決に向け、島根から世界初の開発を進めたい」と話した。

国内で12年に460万人だった認知症の高齢者は、25年に65歳以上の5人に1人、約700万人に達すると推計されている。

(2017年11月21日付 山陰中央新報掲載)


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