たたら製鉄(島根県)
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石州和紙(島根県)
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たたら製鉄 鉧づくりに汗 奥出雲9小学校 体験学習

8時間に及ぶ操業のクライマックスで鉧出しをする奥出雲町の児童ら

奥出雲町の小学校高学年の児童全員が、日本遺産に認定され国内で唯一、町に伝わるたたら製鉄を学ぶ体験学習が1日までの3日間、町内で行われた。たたらの歴史や文化を学んだ上で実際に操業に挑戦。ふいごを動かす送風の重労働などで体を動かした末に鉧(けら)出しにこぎ着け、これまでで最も重い34キロの鉧づくりに成功し、喜びに包まれた。

2004年から、ふるさと学習として町教育委員会と各小学校でつくる実行委員会(委員長・川田勝巳馬木小学校長)が主催。同町大呂の鳥上小学校にある古代たたら体験学習工房と、斐伊川の水を引き込み、砂鉄と砂を分ける鉄穴流し場を中心に冬に行っている。9月には全国の優れた教育実践を顕彰する博報賞の日本文化理解教育部門で、最高の文部科学大臣賞を受賞している。

8時間の重労働 完成に笑顔

9校の5~6年生120人が初日に奥出雲たたらと刀剣館を見学。2日目は鉄穴流しと炭切りをして、同工房で粘土で炉を築いた。

最終日の1日は午前8時半に最初の砂鉄を炉内に入れた後、交代で差しふいごを動かして炉に風を送り続け、砂鉄と木炭を交互に投入した。8時間後の午後4時半からクライマックスの鉧出しを行い、児童がかぎが付いた道具で炉壁を少しずつ壊した。赤く焼けた鉧が姿を現すと歓声が上がり、水で冷却し拍手で祝った。

阿井小6年の荒木万和さん(12)は「これで鉄を作れることがすごい。これからも奥出雲に伝えていきたい」と笑顔で話した。

今回の操業では砂鉄116キロ、木炭177キロが投入され、14回目で34キロの鉧ができた。指導した日刀保たたら(同町大呂)の村下(技師長)を務める木原明さん(82)は「操業が安定し、素晴らしい鉧ができた」と労をねぎらった。

(2017年12月3日付 山陰中央新報掲載)


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