津軽塗(青森県)
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ブナコ・スピーカー(青森県)
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二唐刃物鍛造所(青森県)
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津軽塗眼鏡(青森県)
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重さ700キロの杉玉 製作たけなわ/おいらせ町

バリカンで形を整え、きれいな球体に徐々に近づいていく大杉玉=24日午前

 

もみ殻入り麻袋の「芯」に杉の枝を刺し、杉玉を作り始める工藤さん。力のいる作業に、じっとりと汗がにじむ=23日午前

青森県おいらせ町の酒造会社・桃川で年末に掛け替える、新しい「大杉玉」の製作作業が佳境を迎えている。直径約2メートル、重さ約700キロで「常設では日本一の大きさ」(同社)。作業が進むにつれ美しい球形が姿を見せ始め、「造り酒屋の看板」にふさわしい風格を漂わせている。27日午前8時半に本社玄関に飾る。
杉玉は酒造りの神様の加護を得ようと、造り酒屋に古くから伝わる風習。作業は、同社OBの工藤定雄さん(74)=八戸市市川町=の自宅車庫で23日に始まり、OBや現役社員ら5人も手伝った。
「芯」と呼ばれるもみ殻入りの麻袋に、工藤さんが杉の枝を刺していく。球形となるよう微調整しながら刺す作業は経験が全て。杉玉作り約20年の工藤さんにしかできない技だ。
見た目以上に体力が要る。力を込め一刺しするごとに「くっ」と息が漏れる。寒さで吐く息が白く曇る屋外での作業だが、工藤さんの顔はじっとりと汗ばんでいく。この作業を何百回と繰り返し、大杉玉の原形が出来上がっていった。
作業2日目の24日は、球形に近づけていく作業。工藤さんと杉玉作りを長年続けてきた同社生産本部長の小泉光悦さん(66)が、園芸用バリカンで表面を刈り取る。「下がまだスカスカだ」。時折小泉さんから、修正点を指摘する声が飛ぶ。
追加で枝を刺し、再び刈り込み…。この繰り返しで枝が密に詰まった見栄えの良い杉玉が仕上がっていく。
素材の調達は楽ではないという。芯に使う麻袋は市販の袋では強度が足りず、桃川に残る昔の丈夫な袋を使う。青々とした杉の枝は、真っすぐ伸びた長さ1メートル以上のものが大量に必要。三沢市の六川目や根井地区などで間伐材から集めるが、その量は軽トラック7台分にもなる。
それでも関係者は誇りを持って大杉玉を作る。「これほどの大きさは、日本のどこにもないから達成感がある。年に一度のお祭りと思い気合を入れて作っている」と工藤さん。
小泉さんは「杉玉は酒屋にとって看板代わり。1年かけ茶色に変わっていくさまは酒の熟成を見ているよう。造り酒屋としては門松代わりに大杉玉で新年を迎えたい」。大杉玉は25日に完成する予定。

(2017年12月25日付朝刊 東奥日報掲載)

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