津軽塗(青森県)
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ブナコ・スピーカー(青森県)
ブナコ・スピーカー(青森県)
二唐刃物鍛造所(青森県)
二唐刃物鍛造所(青森県)
津軽塗眼鏡(青森県)
津軽塗眼鏡(青森県)

広がる地サイダー 事業者連携し地域の味

県内各地の地サイダーを製造する八戸製氷冷蔵の機械

青森県横浜町の「青森・下北ふるさとの会」は、町のシンボルである菜の花などに関連したお土産を毎年1、2品、開発している。人気が出ずにわずか1年で販売終了となる商品もある中、同町の観光施設「トラベルプラザ・サンシャイン」の看板商品に定着しつつあるのが、2015年発売の「なの花ハチミツサイダー」。菜の花のハチミツの香りと柔らかな甘みが特徴だ。
同会の杉山徹代表は商品化を検討したきっかけを「全国的に『地サイダー』がブームになっていたし、『花咲いた』と『花サイダー』の言葉遊びが面白いと思った」と冗談交じりに話す。以前、県などが主催する「ABC相談会」を通じてお土産品を発売したことがあったため、同相談会の専門家のアドバイスを受けながら開発に着手した。
ABCの意味は「あおもり食品ビジネスチャレンジ」。相談会では、商品開発や経営戦略の専門家が、商品の味、価格、販売先、ラベルのデザインなどを指導する。青森・下北ふるさとの会も指導を受けて具体的な商品化計画を策定。相談会に参加してから約半年後、サイダーの製造を手掛ける八戸製氷冷蔵(八戸市)へ委託する形で発売にこぎ着けた。
「自分たちだけでお土産を作ろうとすると、機械を買わないとだめだし、味や商品ラベルなどの専門的な知識も必要。いろんな人と協力することで商品の方向性が固まり、完成までの時間を短縮できた」と杉山代表は思い返す。
「ふかうら雪人参サイダー」「青森アップルソーダ」「菊サイダー」「海峡塩サイダー」…。ABC相談会を通じて開発、発売された「地サイダー」は、なの花ハチミツサイダーを皮切りに16種類に上る。

県内で近年、発売が相次いでいる地サイダー。各地域の特産物が原料に使われている(県提供)

「県よろず支援拠点」の加藤哲也チーフコーディネーターによると、以前は北東北に製造を委託できる工場がなく、青森県は他県に比べて地サイダーが普及していなかった。
そんな中、八戸製氷冷蔵が県南地方で採れるブドウ、ナシ、イチゴなどの果汁を使った地サイダーを製造しようと、13年12月に新たな機械を導入。ここに目を付けた加藤氏は「(製造委託の形で)県内企業と連携してくれないか」とお願いし、相談会で県内の観光・物産事業者らと同社の間をとりもった。
委託を受ける形で新商品を製造することになった八戸製氷冷蔵にとっても▽在庫を抱えるリスクがない▽販路の確保を考える必要がない-などのメリットがあった。橋本俊二常務は「果汁入りサイダーを作るノウハウを身に付けることができ、今後、自社製品の果汁入りサイダーを作ることも可能になった」と語る。
地サイダーが県内で広まった背景には、製造委託の環境が整ったことのほか、もう一つの連携があった。
果汁はそのままサイダーの原料に使うと、瓶の底にかすがたまる。また、炭酸の強さによって、加熱殺菌する温度が食品衛生法で定められている。こうした技術面を支援したのが、県産業技術センター農産物加工研究所(六戸町)だ。
なの花ハチミツサイダーも時間が経過するとハチミツをイメージした黄色が薄れてしまう課題が生じ、同研究所のアドバイスで着色料を変更したという。
加藤氏は「地サイダーは基本的にその地域で売るもので、一つ一つがすごいビジネスになるわけではない」としつつ、次の販売展開に期待を込める。「青森の地サイダーの中から、全国で売れるエース格の商品が一つ、二つ生まれる可能性はある。セット販売やサイダー巡りのマップの作成を考えても良いだろう」
(2018年1月31日付朝刊 東奥日報掲載)


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