津軽塗(青森県)
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ブナコ・スピーカー(青森県)
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二唐刃物鍛造所(青森県)
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津軽塗眼鏡(青森県)
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「クレヨン」の新展開 規格外果物が菓子に

規格外のリンゴを使ったフリーズドライを手にする木村社長(左)と秋元さん。大ヒットした「おやさいクレヨン」から派生した新商品だ

規格外の野菜や果物を原料にした「おやさいクレヨン」の発売から約4年-。青森市のデザイン会社「mizuiro」の木村尚子社長(38)が、今度はクレヨン製造で得たノウハウを活用し、同じく規格外の果物などを使った菓子の製造に乗り出した。
昨年11月に発売した「おやさいクレヨン OYATSU(おやつ)」。原材料に鯵ケ沢町の農業法人・白神アグリサービス(木村農也代表)の規格外リンゴや、ラズベリー、ブルーベリーを使い、完全無添加のフリーズドライの菓子を作り上げた。
製品作りの基本理念は、青森県産の農産物を使用することで青森の良さを伝え、子どもにとって安全で、親子で楽しめること。おやさいクレヨンと同じだ。
「クレヨンと同じような原料を使って新しい展開を考えていた。フリーズドライなら子どもがそのまま食べられるし、青森の農産物の魅力を伝えることができる。関連商品を出すことでクレヨンのブランド力も高められる」。木村社長はこう話す。クレヨンの購入者から、クレヨンと別の商品を合わせたギフトセットが欲しい-という要望があったことも、菓子作りを後押しした。
木村社長と白神アグリサービスとの出会いは2014年。白神アグリサービスのリンゴ加工品をネットで販売するのを請け負ったのがきっかけだった。その後、クレヨンのリンゴ色を作るため、リンゴの皮を原料として仕入れた。関係が深まり、フリーズドライの相談を持ち掛けた。

白神アグリサービスの規格外のリンゴ「ピンコ」

農産物は季節によって品種が変わるので、通年で同じ商品を出すのは本来は難しい。それでも、何とか通年で原材料を確保したい-との思いで両社が話し合った結果、俗に「ピンコ」と呼ばれる規格外の小さなリンゴ(直径5~6センチ程度)を使うことになった。
フリーズドライ商品はパッケージを改良し、3月にリニューアルする予定だ。「ピンコという名前がかわいいので、商品名を『pinco』に変えることにした」と木村社長は語る。
一方、mizuiroとタッグを組んだ白神アグリサービス。加工長の秋元日和さん(20)は「ピンコは大量に出るので、加工品に回っている。フリーズドライだと、形も味も生果に近い状態で残るので生産者としてはうれしい。ピンコを商品名にしてもらえれば、知ってもらう機会が増える」と話す。
白神アグリサービスは、フリーズドライを食べた消費者が、原材料として使われている同社の農産物に興味を持ってもらう機会が増え、販路が広がることをメリットと捉えている。取締役の木村才樹さん(56)は「うちのピンコはふじ。小さくても味は大きいものとほとんど変わらない。ジュースに多く使われているピンコが、生果で商品にならないか考えてきた。ビジネスチャンスを探りたい」と語る。
クレヨン、フリーズドライと、次々とアイデアを形にするmizuiro。3月には農産物を原料とした「どうぶつうんちねんど」も売り出す予定だ。木村社長は「漠然としたイメージを具体化するため、パートナーから助言をもらって形にしていくことの繰り返し。私は農業に詳しくないので、フリーズドライに適した農産物が分からなかった。ブルーベリーやラズベリーも提案してもらった」と話す。
累計10万セットを出荷し、大ヒットとなったおやさいクレヨンは首都圏在住の購入者が多い。「クレヨンを作っている会社と、原材料を作っている場所を訪ねて農業体験をする企画も面白いと(白神アグリサービスと)話している」。木村社長の発想は尽きない。
(2018年2月1日付朝刊 東奥日報掲載)


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