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島根大ベンチャー農の郷(安来市) 「高収益」高糖度トマト本格出荷

 最先端設備で生産効率化

島根大学発のベンチャー企業で、高糖度トマトを生産する農(みのり)の郷(さと)(安来市穂日島町、難波晋社長)が本格出荷を始めた。最先端の設備を駆使しながら、高収益の栽培法を実践する「もうかる農業」の確立を目指す。

高糖度トマトの生育状況を確認する難波晋社長=安来市穂日島町

同社は2016年11月の設立で、山陰合同銀行や政府系の地域経済活性化支援機構などでつくる「しまね大学発・産学連携ファンド」から、農業分野では第1号となる1億6千万円の出資を受けた。

安来市内に設置したハウスは8連棟の約3千平方メートルで、採光性が高く、天窓の開閉や温度管理などを自動で行う最先端の方式を採用した。

トマトは中玉種のフルティカで、微細な穴が開いた特殊フィルムの上に土を盛って育てるアイメック農法を活用。フィルムは水と養分だけを通し、細菌は遮断するため、農薬の量を抑えられるほか、水分調整で作物にストレスをかけ、糖度を高められる利点がある。

農の郷は、同農法に独自の工夫を加え、栽培棚の間隔を詰めた密植により、1千平方メートル当たりの植栽本数を通常の約1・7倍に拡大。腰をかがめずに収穫作業が行えるよう高さ45センチのベンチ栽培を導入して作業効率を高めるとともに、根の生育を促進させるため、下部スペースに暖房ダクトを配置した。

「COROCO」のブランド名で販売されている高糖度トマト

糖度はスイカに匹敵する最大13度となり、同農法で平均とされる7~10度を大きく上回る。最上位規格は「COROCO(コロコ)」のブランド名で販売し、17年末に関東の大手スーパーと取引を開始したのに続き、18年2月からは関西の高級スーパー向けの出荷が決まった。店頭価格は1袋(150グラム入り)で400円前後になるという。

収穫期となる11~7月に、県外を中心に月間3~6トンの出荷を計画。島根大と共に糖度や機能性成分リコピンの含有量を高める研究を進めており、今後、加工品開発にも取り組む。19年中に2千平方メートルのハウスを増設し、年間1億2千万円の売り上げを目指す。

難波社長は「生産の効率化を進め、新しい農業に挑戦したい」と話した。

(2018年1月30日付 山陰中央新報掲載)


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