たたら製鉄(島根県)
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石州和紙(島根県)
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60年ぶり栽培のイネ「北部」有志ら試食 出雲・久多美

茶わんに盛り付けられる北部米

明治末から昭和初期にかけ、県内で幅広く作付けされたイネの多収穫品種「北部(きたぶ)」の試食会が16日、出雲市東郷町の久多美コミュニティセンターであった。久多美地区生まれの篤農家が開発し、地元有志が60年ぶりに栽培を復活させ、昨秋に収穫した。粘りも甘味も現代の米と変わらず関係者は驚くとともに、地元が誇る復活した北部を感慨深く味わった。

北部は1902年に、久多美地区生まれの西尾彦市(1859~1934年)が生み出し、15年に県奨励品種に指定され、多収穫品種として全国的に普及した。しかし、他の優良品種が出始めたため、34年に奨励品種から外れ、戦後に栽培が途絶えた。

西尾氏を顕彰してきた久多美地区ではかねて、栽培の復活を望む声があった。昨春、有志が「農研機構遺伝資源センタージーンバンク」(茨城県つくば市)から種を取り寄せ、久多美コミセンが管理する実習田で試験栽培に乗り出した。

昨秋、取り寄せた種33グラムから約6キロを収穫。種もみ用に1・4キロを保存し、試食用に3・7キロを炊いた。

試食会には、北部復活の発起人で種を取り寄せた元久多美小学校(現さくら小)教諭で松江歴史館専門官の宍道正年さん(70)や、栽培を手掛けた地元の永田一芳さん(82)ら12人が参加。ガス釜で炊いた北部米を味わった。

 粘りと甘味 食味驚き

食味が悪いと予想していた参加者の予想に反し、評価は上々。永田さんは「おかずなしでご飯だけでも食べられる。地区のイベントで北部米を多くの人に食べてもらえたら」、宍道さんは「(北部米を学んだ)37年前の教え子に食べてほしい」と話した。

保存している種もみを使い、今年も栽培することにしている。

(2018年2月17日付 山陰中央新報掲載)

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