たたら製鉄(島根県)
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石州和紙(島根県)
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田部家 100年ぶり「たたら」操業 産学官で和鉄文化継承 雲南市

製鉄炉に木炭を入れて燃やす関係者=雲南市吉田町吉田、和鋼生産研究開発施設

かつて松江藩の有力鉄師だった田部家のたたら操業が、雲南市吉田町で約100年ぶりに復活する。25代当主の田部長右衛門氏が社長を務める住宅・食品関連の田部(雲南市吉田町吉田)などが、伝統的なたたらと比べ、製法や炉の構造が簡易な「近代たたら」を活用して操業を再開する。たたら製鉄の伝統の継承と地域振興につなげる。

たたら製鉄は、炉に砂鉄と木炭を入れて行う日本古来の技術。同社によると、田部家の操業は1460年から1923年まで行われていたという。

同社は、地域資源のたたら文化を継承するため、2016年にたたら事業部を設立。ブランド「TESSEN(てっせん)」としてたたら由来の鉄を使ったゴルフパターや包丁の製品化に取り組む。

たたら操業は22、23の両日、和鋼生産研究開発施設(同)で実施。施設を運営する公益財団法人鉄の歴史村地域振興事業団の協力で、田部たたら事業部の職員約20人が作業に当たり、砂鉄や木炭を燃やすたたらの原理を利用した製鉄炉で、鉄を含んだ鉧(けら)を造る。今年の操業は1回で、今後も継続的に実施する考え。

23日には、周辺自治体や経済界などで構成する組織「たたらの里づくりプロジェクト推進協議会」を立ち上げ、産学官連携で和鉄を活用した地域振興策を検討する。同社たたら事業部の井上裕司課長は「たたら事業が、地域に波及するのろしにしたい」と話した。

島根県内では、奥出雲町大呂の日刀保(日本美術刀剣保存協会)たたらで、国内で唯一、文化庁の国選定保存技術保持者の村下(むらげ)による操業も行われており、玉鋼を日本刀の原料として全国の刀匠に供給している。

(2018年5月18日付 山陰中央新報掲載)

100年ぶり復活の炎

江戸時代、松江藩の鉄師を務めた田部家のたたら製鉄の操業が22日、約100年ぶりに復活した。雲南市吉田町吉田にある和鋼生産研究開発施設の近代たたら製鉄炉に、木炭と砂鉄が投入され、23日朝には製錬された鉄の塊「鉧(けら)」を取り出す予定。和鉄を生かした商品づくりと地域振興に取り組む。

操業は、第25代当主の田部長右衛門氏(38)が社長を務める住宅・食品関連の田部(雲南市吉田町吉田)の社員が、同施設を運営する「公益財団法人鉄の歴史村地域振興事業団」の担当者の指導を受けて行った。同所の近代たたら製鉄炉は、鉄製の炉に砂鉄と木炭を入れ、モーターで送風して燃焼させ、炉内部に粘土を張り付けて砂鉄と木炭を溶かす触媒にする。

出雲大社でともされた火を使い、炉に火入れをした後、田部の社員20人が幅1・5メートル、奥行き1・6メートル、高さ1・3メートルの製鉄炉に砂鉄と木炭を投入すると、炎が勢いよく燃え上がった。砂鉄と木炭各800キロを用いて夜を徹して燃やし、鉧を造る。

操業に先立ち神事などがあり、地元の兎比(とひ)神社の景山敏宏宮司(66)が祝詞を奏上して安全を祈願。田部長右衛門氏は、2016年に自社にたたら事業部を立ち上げ、再開に向けて準備を重ねてきた経緯を説明し「再びたたらを使い、活力ある事業を地域で展開することで、人口減が続く中山間地域の課題に突破口を開きたい」と決意表明した。

(2018年5月23日付 山陰中央新報掲載)

 

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