たたら製鉄(島根県)
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石州和紙(島根県)
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7月1日デビュー JR西・新型観光列車「あめつち」公開

JR西日本が22日、7月1日から山陰線鳥取―出雲市駅間で運行する新たな観光列車「あめつち」を公開した。外観は紺碧と銀の2色を基調とし、島根、鳥取両県の空や海、山並みなどをイメージしたデザイン。内装は石州瓦など両県の特産や伝統工芸品が取り入れられる予定で、6月11日に披露される。

山陰デスティネーションキャンペーンに合わせて7月1日から運行する観光列車「あめつち」=米子市日ノ出町、後藤総合車両所

あめつちは両県やJRグループなどが7~9月に展開する「山陰デスティネーションキャンペーン」に合わせて、総事業費約2億円をかけて投入。米子市日ノ出町の後藤総合車両所で、報道陣に公開された。

山陰線で2月まで使われていた「キハ47形気動車」(1981~82年製)を改造し、車体の銀色の帯模様は両県の山並みとともに地元に伝わる日本古来の製鉄技術「たたら」にちなみ日本刀の刃紋をイメージ。前面、側面の計6カ所に大山や日本海をモチーフにしたエンブレムを取り付けた。

現地で会見した同キャンペーン協議会副会長の平井伸治鳥取県知事は、デザインについて「山陰の山や海、空が迫ってくるようだ」と表現。会長の溝口善兵衛島根県知事は「老若男女に喜ばれる」とした。

あめつちは2両編成で定員59人(全席指定)。土、日、月曜日を中心に年間150日程度運行する。

(2018年5月23日付 山陰中央新報掲載)

車体デザイン担当 吉田昇さん(松江市出身)に聞く

 

デザインの狙いや古里への思いを語る吉田昇さん=松江市殿町、山陰中央新報社

鳥取-出雲市駅間を走るJR西日本の新たな観光列車「あめつち」が、7月1日に運行を始める。山陰両県の山並みなどをイメージした車体のデザインを担当したのが、スタジオジブリの作品にも携わる、アニメーション美術監督の吉田昇さん(54)=松江市出身。先ごろ帰省した吉田さんに、デザインの狙いや古里への思いについて聞いた。

-あめつちのデザインに関わった経緯は。

「山陰両県に関係するアーティストに任せたいということで話をいただいた。全体のコンセプトは(出雲市出身の映画監督の)錦織良成さんが担当されており、車体外装の下の部分をデザインしてほしいと要請を受けた」

-車体の外装は、山陰の空や海を表現した紺碧(こんぺき)と、山陰の山並みや両県で盛んだった『たたら製鉄』にちなんだ日本刀の刃紋を表した銀色にデザインされている。

「私が担当したのは銀色の部分。古里の松江から見た山並みの風景をイメージした。晴れた日ではなく、雲に覆われ、煙っていくような風景。その方が、雨が多い山陰らしい。現実的な山並みの風景であったり、刃紋であったりと、抽象的なデザインにも見えるように心掛けた」

古里の美しい自然変わらず

-あめつちでは、風光明媚(めいび)な大山や宍道湖、斐伊川が車窓から望める3区間で速度を落とすなど、日本の原風景を味わってもらえる工夫を凝らす計画だ。

「私が松江で暮らしたのは高校を卒業するまで。小さな頃に足を運ぶのが楽しみだった百貨店が移転してしまうなど、街の様子は変わったが、周囲を取り囲む山々や海といった自然は、当時のままだ。この美しい自然を多くの人に楽しんでほしい」

-長くアニメの美術を担当しているが、自然の色彩にも違いがあるのか。

「東北から西へと舞台が移る『もののけ姫』の背景をかつて担当したが、その土地によって植物が違っており、色の濃淡も変えていった。私は現在、自然に囲まれた東京の郊外に暮らしているが山が遠くにあるためか山陰に比べて緑は薄いと感じている」

-あめつちの運行開始まで1カ月余りとなった。

「車体自体のデザインは光の加減で見え方が違うだけに、どのように見えるか楽しみ。周りの風景とどんなハーモニーを醸し出すかも興味深い。私自身、観光列車に乗ったことはなく、一度は乗車したい。ただ、車内にいると、外装は見えませんね」

よしだ・のぼる 松江市出身。松江北高から多摩美術大へ進み、デザイン会社に入社。その後、フリーとなり、「もののけ姫」などスタジオジブリのアニメ映画に参加。「崖の上のポニョ」「借りぐらしのアリエッティ」などのほか、最新作の短編「毛虫のボロ」で美術監督を務めた。東京都在住。

●観光列車「あめつち」

JR西日本が「山陰デスティネーションキャンペーン」(7~9月)に合わせ、新たに運行する。7月1日に運行開始。土、日、月曜日を中心に年間150日程度、山陰線の鳥取-出雲市駅間を1日1往復する。キハ47形気動車を改造した2両編成を使い、定員は59人で全席指定。車内は石州瓦や弓浜絣(がすり)など山陰両県の伝統工芸品で彩る。列車名の「あめつち」は、山陰地方を舞台にした神話が多く書かれている古事記の「天地(あめつち)の初発(はじめ)のとき」という書き出しが由来。

(2018年5月25日付 山陰中央新報掲載)

 

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