大館曲げわっぱ(秋田県)
大館曲げわっぱ(秋田県)
樺細工(秋田県)
樺細工(秋田県)
樺細工/制作風景(秋田県)
樺細工/制作風景(秋田県)
川連漆器/制作風景(秋田県)
川連漆器/制作風景(秋田県)
川連漆器(秋田県)
川連漆器(秋田県)

新屋ガラス工房、制作体験が好評 オープン半年、地域への波及効果に期待

ガラス作品を制作する様子を見学する来場者

秋田市新屋表町の新屋ガラス工房が、昨年7月のオープンから半年を迎えた。作品の制作体験や制作現場の見学が好評で、市民らがガラス工芸に親しむきっかけになっている。外部から作品の制作依頼を受けるなど、工房の作家が技術を生かす機会も増えてきた。この半年の来館者は約1万8千人。地元商店のある通りに面しており、今後は工房を地域の活性化にどう結び付けていけるか、住民らは知恵を巡らせている。

工房では、20~40代の作家がスタッフとして活動。自らが作品を制作する様子を自由に見学できるようにしているほか、市民らを対象にした制作体験を行っている。工房や県内外の作家の作品展も行っており、オープンした昨年7月15日から今月14日までの来館者数は、計1万7989人。1日平均119人が訪れる計算だ。

15日に見学に来ていたのは黒沢正蔵さん(69)。男鹿市から妻、娘と共に訪れ、今回が2回目という。ランプシェードを作る様子を吹きガラス室で見学した黒沢さんは「溶解炉の熱を感じるほど近くで見られ、技術のすごさが分かる。今度は知人を連れてきたい」と話した。

毎週末に行っている制作体験は、参加者が自らデザインした花瓶やグラスを作る。毎回好評で、これまでに300人以上が挑戦、リピーターも出てきた。

工房リーダーで秋田公立美術大学の小牟禮尊人教授(55)は「ほかの施設では味わえないような、五感を使った深い体験ができる。気軽にスタッフと来場者が交流したり、作品に直接触れたりできるのが魅力。芸術文化の発信拠点にもなる」と語る。

市民や企業から器やオブジェ制作の注文を受ける機会も増え、昨年12月までに14件の依頼を受けた。「制作は依頼者と話し合いながら進めている。やりとりは勉強になり、ファンになってくれる人もいて励みになる」とスタッフの大河内純一さん(43)は話す。

工房の整備は、歴史ある街並みを生かしたまちづくりを目的に、住民が空き地の有効活用を市に提案して実現した経緯がある。工房のある表町通りには、1キロにわたり雑貨店や飲食店など約20店舗が立つが、新屋以外から工房を訪れた人たちが、周辺に自然と足を運ぶような状況にまでは、まだ至っていない。

洋服雑貨店を営む40代女性は「工房を見た人が新しい客として来るということは、ほとんどない。工房と商店が連携できるといい」と語る。

現在、工房周辺から地域の通りや商店につながる動線をつくろうとする試みが、住民らの手で行われている。

工房に隣接する町屋・渡邉幸四郎邸で月1回、映画上映会を開いている「新屋ムービーズ」は、上映会の際に町屋の工房側の出入り口を開放。工房から上映会に足を運びやすくなる工夫を施している。

上映チケットを特定の商店に持って行くと、買い物時におまけをもらえる独自の仕掛けも行っており、「工房から町屋へ、町屋から商店へ、徐々に動線を伸ばし地域活性化につなげたい」とメンバーの阿部和司さん(53)は話す。

27日に開かれる「第16回あらや大川散歩道雪まつり」には、工房も初めて参加し、正面玄関付近にミニかまくらを作り明かりをともす。

主会場はJR新屋駅から秋田美大までの散歩道約1キロで、約500メートルの距離があるが、同まつり副実行委員長の高橋勝さん(69)は「人の流れは生まれるはず。まつりに参加していない工房周辺の町内会が、地域を盛り上げる機運を高める機会にもなるのでは」と工房を巻き込んだ。

今月8日の工房の年始イベントには地域住民を含め約1100人が訪れた。佐藤司館長(55)は「工房の知名度は上がってきた。今後はいかに日常的な人の流れをつくれるかが鍵」と力を込める。

ガラス工房の存在を地域に定着させ、工房ができたプラスの変化をいかに周囲に波及させていくか。地域住民を巻き込みながら工夫して、行動に移す必要がある。工房を生かした地域づくりは、まだ始まったばかりだ。

(2018年1月17日 秋田魁新報掲載)


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