眼鏡(福井県)
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越前和紙(福井県)
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若狭塗箸(福井県)
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越前和紙、五輪採用狙う 伝統生かし新規開拓へ

産地が断続的な雪に見舞われた今月中旬、福井県和紙工業協同組合の石川浩理事長(55)=福井県越前市大滝町=の姿は都内にあった。訪問先は2020年に開かれる東京五輪・パラリンピックの競技大会組織委員会。チケットや招待状などへの越前和紙の採用を目指している。2年ほど前から関係者へのアプローチを続けており「五輪で使われたとなれば国内、海外とも宣伝効果は大きい」と意気込む。

越前鳥の子紙の保存会研修で、正会員から教わりながら紙を漉く職人=1月13日、福井県越前市新在家町の卯立の工芸館

越前鳥の子紙の保存会研修で、正会員から教わりながら紙を漉く職人=1月13日、福井県越前市新在家町の卯立の工芸館

1500年前が起源とされる越前和紙。国内最大の和紙産地だが、主力のふすま紙や証券紙の需要が激減した影響で生産規模は縮小。同組合加盟事業所の売上高はピークだった1990年の約93億円(91社)から、2017年は約28億円(58社)と大きく減った。

こうした中、産地では新たな需要の開拓を進めている。一例が大型の版画用紙やタペストリーなど室内装飾関連の紙。ふすま紙を漉(す)いてきた技術を生かしている。大型の版画用紙は主に欧米向けで、千年持つといわれる和紙の保存性が高く評価されている。

昨年、手漉き技術が国の重要無形文化財に指定された「越前鳥(とり)の子(こ)紙」に関しても、美しく飾られた平安時代の装飾料紙の再現に取り組んでおり、書家らをターゲットとした販路開拓につなげたい考えだ。

同時に技術や文化の継承にも力を注いでいる。鳥の子紙については保存会が毎月研修会を開き、正会員ら約30人が手漉き技術や原料の雁皮(がんぴ)の栽培を学んでいる。今秋には全国の研究者や製紙業者を招き、装飾料紙をテーマにしたシンポジウムを開催する予定だ。

石川理事長は、高い身分の人の公文書に使われていた奉書紙や明治新政府の太政官金札用紙を例に「他の産地がまねできない紙を生み出してきたから1500年の歴史がある」と指摘。「今後の産地を支える新しい紙作りを進め、継承や保存の活動にもしっかり取り組むことが自分たちの強みにもつながっていくはず」と今後を見据えている。

(2018年1月25日付 福井新聞朝刊掲載)

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