グンゼ苑の蔵
グンゼ苑の蔵(京都府)
黒谷和紙
黒谷和紙(京都府)
由良川
由良川(京都府)
丹後ちりめん
丹後ちりめん(京都府)

伝統磨いて世界へ飛躍 京都の企業で続く革新

村田製作所を創業した故村田昭さん(左から4人目)と打ち合わせする京都大の研究者ら。ものづくり企業と大学の産学連携が京都でハイテク産業が育つ土壌となった

京都では戦前から戦後にかけ、ものづくりを手掛けるベンチャー企業が次々に生まれ、グローバル企業に飛躍した。その源流には古都で育まれた伝統産業の技がある。他社の模倣や競合を嫌う商いの気質も作用し、磨き上げた技術で圧倒的なシェアを築いた企業も数多い。

現在の京都経済のけん引役は、自動車やスマートフォン、製造機械に至るまで幅広く使われる電子部品のメーカーだ。その代表格である京セラや日本電産、村田製作所は、いずれも連結売上高が1兆円を超え、今なお高い成長を続けている。

1944年創業の村田製作所は、京焼・清水焼をルーツに持つ。精密な焼き物の生産技術でチタンコンデンサーを開発。ラジオやテレビの普及で事業を急成長させた。稲盛和夫氏らが59年に立ち上げた京都セラミツク(現京セラ)も最先端の特殊磁器素材を武器に売り上げを伸ばした。

京かるたの老舗だった任天堂は、後発で参入した家庭用テレビゲーム機を広く普及させ、市場を席巻。印刷・製版機器から半導体製造装置メーカーへと脱皮したSCREENホールディングスなど、大手メーカーの多くが時代や技術の変化に応じて業態を変え、市場を切り開いてきた。

大学が集まる学術都市であることも、ハイテク産業が育つ土壌となった。京都企業は産学協同で新たな知見を取り込み、最先端の部品や装置を世に送り出した。堀場製作所のような学生ベンチャーも世界に羽ばたいた。

人工知能(AI)やロボット技術が急速に進化する今、企業は新時代のものづくりに向けて投資や採用を加速している。「伝統」を土台に「革新」に挑み続けてきた京都企業の真骨頂が、今ほど求められる時はない。

(2018年1月26日付朝刊 京都新聞掲載)

京都スタイル 京都・丹後の絹織物をストールに JTB西日本が限定販売 京都スタイル グンゼ創業者ゆかりの地巡る 没後100年、京都・綾部で催し