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[技ひと夢紡ぐ ものづくりの現場から]熱可塑性炭素繊維複合材(石川県能美市) 耐震補強に威力発揮 JIS認定で普及狙う

繊維の染色加工を得意とする小松精練(石川県能美市)が、建材事業を拡大させている。炭素繊維をねじってより合わせ、ロープ状に仕上げた建材「カボコーマ・ストランドロッド」を開発し、耐震補強工事で実績を重ねている。2018年には耐震補強材として日本工業規格(JIS)に認定される見通しで、さらなる普及を目指す。

小松精練は、国立研究開発法人科学技術振興機構のセンター・オブ・イノベーションプログラムの支援を受け、金沢工業大革新複合材料研究開発センターと共同で炭素繊維複合材の製品開発を進めてきた。

製品化した熱可塑性炭素繊維複合材「カボコーマ・ストランドロッド」は、炭素繊維糸と熱可塑性樹脂を組み合わせたロープ状の材料で、鉄の4分の1の軽さながら耐久性や柔軟性に優れる。

15年には、建築家の隈研吾東大教授の設計で、能美市の本社敷地内にある旧本社棟の耐震工事に炭素繊維複合材を活用した。建物の外壁と地面を1031本の「カボコーマ・ストランドロッド」でつなぎ、雪づりや「建物が布をまとっているイメージ」を連想させる造りとした。

 

耐震化で建物の外側に「カボコーマ」を張り巡らせた小松精練の旧本社棟=石川県能美市

長野市にある善光寺の重要文化財「経蔵」の耐震補強工事では、さびや結露に強く、軽くて強度の高いカボコーマ・ストランドロッドの特性が生かされた。

重要文化財の修理では、現状の材料や工法を維持することが優先される。床下や屋根裏など目立たない場所に、構造を変えないよう補強材を取り付ける必要があり、小松精練の炭素繊維はもとの部材を傷めることなく建物を支えた。

炭素繊維複合材料は日本企業が原料の7割を担う一方、自動車や建材への応用といった産業化では欧米に大きく後れを取ってきた。小松精練の中山賢一会長は「JIS認定でストランドロッドの需要が加速的に高まる」と期待を示す。小松精練はJIS認定を見据え、来年度末までに本社工場の生産設備を集約し、同製品の製造能力を現在の3~5倍に引き上げる方針だ。

地震が多い日本では、建物の耐震強化が大きな課題だ。全国には古い木造建築物が数多くあり、文化財をはじめ、小松精練の炭素繊維が活用されるケースは今後増える。「日本が誇るレガシー(遺産)を100年、200年先まで支える」(中山会長)と、繊維の新たな可能性に挑んでいる。

(北國新聞社経済部・瀬戸愛菜)

 

<カボコーマ・ストランドロッド> 石川県の能登地区に伝わる組み紐の技術を応用し、熱可塑性樹脂でコーティングした炭素繊維の束をより合わせ、ひも状にした耐震補強材。鉄筋を使った従来の工法と比べて(1)軽量ロッドを巻いた状態で運べる(2)柔軟性があり、配置の自由度が高い(3)さびや結露に強く、経年劣化しにくい(4)木材を傷つけず腐食させにくい、などの特徴がある。


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