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[技ひと夢紡ぐ ものづくりの現場から]豊岡鞄(兵庫県豊岡市) 専門校で職人を育成 ブランド継承地域挙げて

革の香りが漂う作業場に、ミシンの音が響く。壁の棚にはオレンジや青の色鮮やかな生地と、さまざまな形の試作品が並ぶ。

受講生たちが作ったかばん=兵庫県豊岡市

兵庫県北部の豊岡市。「カバンストリート」の愛称で親しまれる宵田商店街(同市中央町)にある養成専門校「トヨオカ・カバン・アルチザン・スクール」で学ぶ若者たちが、スケッチや設計図を見つめながら縫製作業を進めていく。

人口約8万3千人のこの地は、古くから「かばんのまち」として知られ、現在もかばん製造業60社以上が同市に拠点を置く。主力は国内大手メーカーからの受託生産(OEM)。有名ブランドの品質を地域に息づく職人気質が支えてきた。材料の卸業からパーツ製造、仕上げ、販売まで、多くの企業が市内に集まる産業構造も強みだ。

豊岡のかばん産業は昭和期に隆盛し、新素材の導入などで製品の幅が広がった1990年に最盛期を迎えた。

バブル崩壊後、大手の製造拠点が海外に移ったことなどで一時衰退したが、地元メーカーでつくる兵庫県鞄(かばん)工業組合が2006年、特許庁が認める「地域ブランド」に「豊岡鞄」を登録したのが転機に。長年培った縫製技術、持ち手など細部にこだわった高い品質、種類の豊富さを売りに、自社ブランドで販路拡大を目指す企業が増えている。

ブランドの継承には次世代を担う職人の育成が欠かせない。産地の決意を象徴するのがアルチザン・スクールの創設だ。

かばん作りの“いろは”を伝授するトヨオカ・カバン・アルチザン・スクール=兵庫県豊岡市

アルチザンは仏語で職人の意味。14年に市の第三セクターが開設し、現在4期生8人が学ぶ。ほとんどが市外出身で初心者の受講生に、地域の職人たちがデザインや設計、製作技術、経営知識も教える。1年制で授業時間は1400時間を超え、受講生は20個以上のかばんを完成させる。

「一から全て教えてもらえる安心感があるから飛び込めた」と地元出身の元会社員藤原祥吾さん(28)。会社を辞めて長野県から参加した桑島奈緒子さん(33)は「職人がいいものを作るのは当たり前。その先にもっと厳しい世界があると分かり、ものづくりへの意識が変わった」と話す。

同市エコバレー推進課によると、卒業生23人のうち15人が同市で就職。若者定着にも一役買っている。同スクールの紙谷芳明マネジャー(61)は「大阪や東京からの志願者も増えている。『かばん漬け』になれる学校はここしかない、と知名度が上がってきている」と自信を深めている。

(神戸新聞社・秋山亮太)

<豊岡のかばん産業> ルーツは、円山川に自生するコリヤナギで作った柳ごうりとされる。1881年の国内博覧会に、柳ごうりを改良した「行李鞄(こうりかばん)」を出品するなど産業として発展した。経済産業省の2014年工業統計によると、豊岡市のかばん製造出荷額は約111億円で、市区町村別で日本一となった。


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