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丹後ちりめん
丹後ちりめん(京都府)

[技ひと夢紡ぐ ものづくりの現場から]弓浜絣(鳥取県西部) 深い藍色、素朴な味 若手の感性から新展開

鳥取県西部で織り継がれている弓浜絣(ゆみはまがすり)。濃い藍色に鶴亀などの縁起物を織り込んだ絵絣に特徴があり、庶民の暮らしに寄り添う素朴な品として長年、愛されてきた。近年は後継者不足が課題だったが、ものづくりを志す若者が現場に飛び込み、若い感性の作品も増えてきた。

農家の主婦たちが自家栽培した綿を使い、自給自足の衣料として手掛けていたのが発端。江戸時代になると、産業として成り立つようになった。深い藍色に白抜きで、鶴亀や松竹梅などの絵柄はもちろん、幾何学模様など無数の柄を描き出す。

衣類はもとより、雑巾や子どものおむつに至るまで、県西部の庶民の暮らしの隅々に深く根を張っていた。

しかし、洋式の紡績が盛んになるにつれて衰退。原料の伯州(はくしゅう)綿も外国産の木綿の輸入が拡大するのに比例し、生産量が減った。

弓浜絣を製作する鳥取県弓浜絣協同組合の田中博文理事長=境港市の工房ゆみはま

国指定伝統的工芸品の危機を脱するために立ち上がったのは、数少ない生産者だった。県弓浜絣協同組合が、県や米子、境港両市の協力で、2007年から後継者を育成するための研修を開催。6人の若手生産者が巣立った。同組合の田中博文理事長(56)は「若い人の発想で、ものづくりが生まれ始めている」という。

境港市竹内団地の夢みなとタワーにある物産観光センター「みなとまち商店街」には、若手の作家が手掛けたハンチング帽や名刺入れ、しおりなど多彩な品が並ぶ。

若者の新たな感性で再び脚光を浴びつつある弓浜絣に着目したのが、日本有数のスポーツメーカー「アシックスジャパン」(東京都)だ。創業者の故鬼塚喜八郎氏は鳥取市出身で、境港市渡町に国内唯一のシューズ生産拠点の山陰アシックス工業があるのも縁となり、弓浜絣を使った「オニツカタイガー」ブランドのスニーカー2種類を開発。今春、数量限定で販売すると、あっという間に売り切れる人気ぶりで、その可能性を改めて示した。

若者の感性を生かした作品が並ぶ「みなとまち商店街」の店内=鳥取県境港市の夢みなとタワー

若者の発想で、新たな段階に入った弓浜絣。「若い人が興味を持ってくれるようになった」と田中理事長は目を細める。展示会に30代前後の若者たちの姿が目立つようになった。「ふるさとの“いいもの”として、若い人たちの心に残ることが大きな価値になる」と強調する。

(山陰中央新報社・高橋利明)

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