アルミ形材の製造現場(富山県)
アルミ形材の製造現場(富山県)
高岡銅器の鋳物製造(富山県)
高岡銅器の鋳物製造(富山県)
井波木彫刻の作品展高岡銅器の鋳物製造(富山県)
井波木彫刻の作品展(富山県)

アルミ接合で新技術 富山県工業技術センター

鍛接法の新たな技術で接合させたアルミ(上)とマグネシウム

県工業技術センター(高岡市二上町)は、アルミと他の金属を接合する新たな技術を開発した。二つの金属をプレスし、接する面を強力に結合させる「鍛接法」と呼ばれる手法で、従来より短時間で仕上げることができる。軽量化が求められている自動車の材料を鉄からアルミに置き換えることを目指しており、実用化されれば、富山の基幹産業の一つであるアルミの用途を大きく広げる可能性がある。

自動車メーカーはエコカー需要の増加や環境規制の強化などを受け、マルチマテリアルを使って車体を軽量化する研究に取り組んでいる。アルミは重さが鉄の3分の1と軽く新材料として期待されているものの、他の素材と強く接合させる技術が確立されていないため利用は進んでいない。一般的な接合方法の「溶接」は金属をいったん溶かすため、結合が弱くなる難点があった。

同センターの山岸英樹主任研究員らは、県内に産業集積があるアルミの用途を自動車に拡大することで、地域経済の活性化が図れることから、2015年に接合技術の開発を本格的にスタートさせた。

鍛接法は、アルミと別の金属をプレスし、分子レベルで結合させる。同センターは、16年2月に圧力のかけ方を微調整できる最新鋭の「サーボプレス機」を導入。圧力が強すぎると接合面が壊れて結合が弱くなるため、どの程度の力をどれくらいの時間加えるのが最適なのか、試行錯誤を重ねた。この結果、アルミとマグネシウムを接合する独自ノウハウを見いだし、昨年12月に特許を出願した。

新技術の強みはプレスの時間がわずか2秒で済むこと。自動車の製造には2千から3千カ所もの接合が必要とされており、生産ラインで実用化するのに不可欠な短時間での加工を実現した。

今後は、企業との共同研究によって、新技術を生産現場で用いるための産業機械の開発などを目指す。山岸主任研究員は「ものづくりの基盤となる次世代の接合技術。県内企業に活用してもらいたい」と話している。

◆マルチマテリアル◆ 異なる金属や素材を接合することで、軽量化したり、強度を高めたりする手法。自動車や航空機への活用が見込まれ、関連技術の開発競争が激化している。県工業技術センターは技術開発に取り組んでいるほか、県内の産学官による「とやま高機能素材研究会」にワーキンググループを設け、会員企業への情報提供も行っている。

(2018年1月9日 北日本新聞掲載)


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