天童木工(山形県天童市)
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オリエンタルカーペット(山形県山辺町)
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三陽製作所(山形県南陽市)
三陽製作所(山形県南陽市)

3次元技術で木材加工をより自由に シェルター(山形)が実用化

シェルター本社前に組み立てられた「FREE WOOD」のゲート。4拍子のタクト先端の軌跡を表現している=山形市松栄1丁目

木造建築メーカーのシェルター(山形市、木村一義社長)は8日、日本で初めて導入した3次元加工機を使い、木材から複雑な形状の部材を削り出す技術を実用化し、新たに総称「FREE WOOD(フリーウッド)」として市場販売すると発表した。より自由なデザインが可能となり、木造建築の可能性が広がりそうだ。

同社は2015年に寒河江工場にスイス製の3次元加工機を導入した。木材は曲げたり、曲線の部材を切り出したりすることは可能だったが、加工機を使うことでひねりのある曲線の材も削り出すことができる。

近年は従来の単なる箱型とは異なり、曲線や曲面を生かした木造建築が増えている。一方、神社仏閣の屋根などに用いられている曲線構造は、樹木の根曲り部分などを活用している例が多かった。同社のツイスト加工は、新たなアプローチになると見込まれる。

課題となったのは、プログラムで描いた3Dの図面から、加工機で立体に切り出すまでのアプリケーションソフトの開発。安達広幸常務は「木材の繊維を切ることなく、どの刃を用いてどのぐらい削り出せば図面の通りになるのか。それを機械に伝える『言語化』に試行錯誤した」と語る。

「FREE WOOD」では、ひねりのある形状の木を削り出すことができる

実用化により、角度や曲率の異なる複数の部材を組み合わせられるほか、同社が得意とする2時間耐火部材「COOL WOOD(クールウッド)」と合わせて構造材にすることも可能だ。既に鳥取県内にある企業研修保養所の屋根部分の構造材や、静岡県富士宮市の富士山世界遺産センター(12月23日開館予定)では編み込まれたような印象を与える木格子「逆さ富士」に用いられている。

意匠設計の自由度を理由に、鉄骨や鉄筋コンクリート造りを選択していた設計者などに対し、新たな選択肢を提示していく考え。安達常務は「木材の加工のしやすさ、軽さをもっと生かしたい。設計に制約はなく、どんどん創造してほしい」と話している。

(2017年11月9日付朝刊 山形新聞掲載)


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