住民招き、文化財の小学校で披露宴 岩手から移住の岡本さん夫妻

旧鮎川小校舎前で談笑する岡本雄さんと妻輝実さん

旧鮎川小校舎前で談笑する岡本雄さんと妻輝実さん

由利本荘市町村(まちむら)の国登録有形文化財・旧鮎川小学校で来月下旬、岩手県滝沢市から由利本荘市平岫(ひらぐき)に移住した夫婦が結婚披露宴を開く。自然に溶け込む木造校舎のたたずまいに魅せられ、人生の晴れ舞台に選んだ。約60年の歴史を刻む木造校舎に親族や友人のほか町村、平岫両地区の住民も招待して永遠の愛を誓う。

旧鮎川小は、明治末期から大正期に見られた木造平屋の切り妻造り。黒塗りの外壁、白く塗られた窓枠がモダンな雰囲気を醸し出す。2012年2月に文化財に指定された。鳥海山ろく線の列車がすぐそばを走る。市教育委員会によると、旧鮎川小で結婚披露宴が開かれるのは初めて。

夫婦は木工職人岡本雄(ゆう)さん(31)=美郷町出身、輝実さん(39)=由利本荘市西目町出身。「雰囲気の良いところで、かしこまらない披露宴を開きたかった」と2人。地域のイベントに使われ、メディアに取り上げられることが多い旧鮎川小が気になり、今年2月に足を運んだところ、一目で気に入ったという。

雄さんは岐阜県の家具工場で、輝実さんは首都圏の介護福祉施設でそれぞれ働いていたが、東日本大震災を機に2人とも実家に戻った。アフリカの打楽器演奏やダンスが共通の趣味で、秋田市での練習会で知り合い交際開始。雄さんの仕事の関係で昨年まで1年ほど岩手県滝沢市で一緒に暮らし、昨年3月に平岫に移住。11月に結婚した。

移住の決め手は、工房にも使える空き家があったこと。新居はお互いの実家からほぼ同じ距離に位置し、自然環境にも恵まれていることから気に入ったという。

当初は不安もあったが、近所の人が野菜を分けてくれたり、地元神社の祭りに参加させてもらったりして温かさを感じている。「地域の人々には感謝している。気軽に来られるパーティーで楽しんでもらい、恩返ししたい」。近隣住民を披露宴に招待するのは、そんな思いが理由だった。

披露宴では校舎前で指輪を交換し、飲食店を経営する知人の料理で客をもてなす。由利地域に伝わる県指定無形民俗文化財「屋敷番楽」や、アフリカンドラムとダンスの仲間にも出演依頼を考えており、華やいだ宴になりそうだ。

来場者は100〜200人を想定。自作の招待状を近所や旧鮎川小周辺の住民に配布して参加を募る。2人は「みんなで一緒に楽しんで、思い出に残る披露宴にしたい」と話している。

(2016年6月8日付 秋田魁新報掲載)


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