ホタテ
リンゴ畑
紅葉の十和田湖
冬の八甲田
不老ふ死温泉の露天風呂
青森ねぶた

大正香る100年の宿「残したい」

旧あんず旅館の大広間に飾られた作品を見て回る今井さん(左)と池田さん

旧あんず旅館の大広間に飾られた作品を見て回る今井さん(左)と池田さん

青森市浅虫にある旧あんず旅館で26~28日、同市の墨彩画家・池田海(うみ)さん(64)が作品展を開く。旅館を一人で切り盛りしていた元女将(おかみ)の今井季枝(ももえ)さん(87)は、高齢のため宿を閉めたが、大正ロマン薫る築100年の建物を残してほしいと、かつての宿泊客だった池田さんに相談。女将の思いを受け継ぎ、池田さんはさまざまな企画を行おうと動きだした。
あんず旅館は約50年前に開業。小さなたたずまいながら、今井さんの作る郷土料理と良心的な心遣いが評判を呼び、三戸町出身の漫画家・故馬場のぼるさんら文化人、政財界にもファンが多かった。約10年前、今井さんは背骨を圧迫骨折し宿を閉鎖。その後、館内で暮らしていたが、今年6月に老人ホームに移ることになり、使い手を求めて池田さんに連絡を取った。
今井さんは弘前市で小学校教員をしていた30代の頃、知人のすすめで旅館を始めた。青森市旭町にあった遊郭を移設した建物。「初めて見た時はクモの巣が張っていたが、欄間の細工など作りが丁寧でピンと来るものがあった」という。
池田さんは北海道根室市出身。同市役所勤務などを経て98年に青森市に移り住んだ当初、浅虫でアルバイトをしながら同旅館に宿泊した。その後、墨彩画家になってお礼に来た姿が印象にあり、今井さんは「この人なら大事に使ってくれる」と感じていた。
25日の展示作業で池田さんは、建物の雰囲気を壊さないよう元宴会場の大広間の畳の上や床の間に約50点の絵を並べた。お地蔵さんや観音様を描いた絵が広間を和やかに包み込み、展示を見た今井さんは「ここまで上手に使ってくれるなんてびっくり」とうれしそうに話した。池田さんは「あんずプロジェクト」と銘打ち、展覧会やイベントなどを企画中。「建物を維持し、浅虫を元気づけるためにもたくさんの方に利用してほしい」と呼び掛けている。
「海さんの墨彩画展」は入場無料、午前10時~午後4時。旅館はみちのく銀行浅虫支店の筋向かい。問い合わせは池田さん(090-3757-1982)へ。

(2016年8月26日付朝刊 東奥日報掲載)


青森スタイル 「ANMON」でねぷた絵展/西目屋 イベント関連情報 秋以降も多彩に発信 都心で講座