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豊かさ求めて 移住が開く地域の未来5 兵庫県豊岡市 赴任の地忘れがたく 官庁離れまち活性化に汗

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近くに大型のスーパーマーケットやコンビニエンスストアはないが、海や川、山がそろった環境で季節ごとの新鮮な農産物や魚介類が手に入る。環境省職員から転身した兵庫県豊岡市の地域おこし協力隊員、小谷芙蓉さんは「自然に囲まれて生活しているということを実感した。自分が求めている暮らしなのかもしれないと考えた」と語る。
環境省の自然保護官になって3年目の2011年。豊岡市竹野町周辺の山陰海岸国立公園を管轄する竹野自然保護官事務所に赴任したことが、始まりだった。
横浜市緑区で生まれ、育った。「田舎暮らしがしたかった訳ではないけど、子どものころから親に連れられてキャンプに行き、自然には親しんでいた」と振り返る。
赴任から3年、地元の人との交流も深まりつつあった14年4月、本省に異動になった。東京都心に住み、官庁街で仕事に追われる毎日。4カ月後の7月末、夏の海岸を彩る恒例の花火大会を見物するために、竹野を訪れた。地元の知人らと話しているうちに自然と言葉が出た。「竹野に住みたい」
環境省を退職し、豊岡市の地域おこし協力隊員に応募。採用されて15年4月、竹野に戻った。空き家だった木造2階建てを借りて暮らす。海上カヌーのインストラクターや観光案内所の受け付け業務を担当し、地域のイベントを手伝い、訪れる人たちに、まちの魅力を発信する。
併せて竹野への移住者が増えるためには何が必要か、を考え続けている。既に移住者を支援するための団体を設立し、事務局長を務める。間もなく本格的な活動を始め、来春までに、地域にある居住可能な空き家や就職先について調査し、まとめる予定だ。さらに、東京にある移住者支援のNPO法人と連携し、都市部から真剣に移住を考えている人を対象にしたツアーを計画している。
「竹野の良さを紹介することで、自分と同じようなファンを増やしたい。そうすれば移住してくれる人も増えるはずだから」
(神戸新聞社・斎藤雅志)

【メモ】兵庫県内の日本海周辺では多くの市町が情報サイトや体験ツアーなどで移住を促している。豊岡市の移住支援策では、最長で10年間住める移住促進住宅があるほか、空き家の改修に助成制度を用意。今年9月下旬には移住者が中心となって暮らしぶりなどを紹介するインターネットのサイト「飛んでるローカル豊岡」を開設した。


日本海スタイル 豊かさ求めて 移住が開く地域の未来6 鳥取県大山町 子育て考え一念発起 水中写真家農業にも挑戦 ぼたん鍋で味わえる脂の乗ったイノシシ肉=9日、おおい町名田庄久坂の料理旅館「新佐」 福井スタイル イノシシ肉入荷 脂乗り良し ぼたん鍋 おおい・名田庄